2024年06月30日

トヨタ系が下請法違反、金型保管50社に強要で公取委認定へ

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「トヨタ自動車」系列の、横浜市にある車体製造会社が、部品の製造に必要な「金型」を複数の下請けの部品メーカーに無償で保管させ、経費を負担させるなどしていたとして、公正取引委員会が近く、下請法に基づく勧告を出す方針を固めたことが、関係者への取材でわかりました。自動車業界では「日産自動車」もことし、下請けのメーカーに支払う代金を一方的に減らしていたとして勧告を受けていて、公正取引委員会が監視を強化しています。

下請法違反の疑いが持たれているのは、「トヨタ自動車」の子会社で、横浜市にある車体製造会社、「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」です。
関係者によりますと、この会社は、バンパーなどの製造で使う「金型」を、複数の下請けの部品メーカーに無償で保管させ、あわせて数千万円分の経費を負担させていた疑いがあるほか、メーカー側に責任がないのに部品を返品し、損失を負担させていた疑いがあることが、わかったということです。
公正取引委員会は、こうした行為が下請けメーカーの利益の不当な侵害にあたると認定し、近く再発防止を求める勧告を出す方針を固めたということです。
公正取引委員会の指摘に対し、「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」は違反を認めているということです。

車のバンパーなどの生産に必要な金型などについて、発注予定がないのに下請け業者約50社に無償で保管させ、計数千万円分を負担させていた。業者側は取引中止を懸念し、拒否できなかったとみられる。TCDは違反を認めた上で、保管料相当額を業者側に支払う意向という。

ほかに、60社以上の下請け業者に対し、車体パーツを不当に返品。被害額は計5000万円を超えるという。金型保管と不当返品の被害が重複する業者もある。

自動車業界では「日産自動車」もことし3月、下請けのメーカー36社に支払う代金を一方的に減らしていたとして勧告を受けていて、公正取引委員会は、コストの高止まりが続く中、業界の慣習的な取り引きについても監視を強化しています

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2024年06月23日

ハーバード大学教授「デビッド・シンクレア」が提唱、長寿遺伝子を活性化させるアンチエイジングサプリ

 美容業界で頻繁に使われている「アンチエイジング」という言葉。これは老化の進行を可能な限り遅らせることを目指す美容と医療の両方の要素をもった分野です。このアンチエイジングを化学的に研究するアンチエイジング医学(抗加齢医学)の世界で注目されているのがサーチュイン遺伝子。ハーバード大学医学部デビッド・シンクレア教授の研究の成果によって多くのことが明らかになってきています。

サーチュイン遺伝子とは「長寿遺伝子」または「抗老化遺伝子」とも呼ばれ、その活性化により生物の寿命が延びるとされています。最近ではインスリン抵抗性、糖尿病、ガンおよびアルツハイマー病などの老化関連疾患の病態を改善することも報告されています。

断食やカロリー制限、運動によって活性化するとされていますが、近年、それを活性化させる物質が明らかになり注目を集めています。

今回ご紹介する4種のサプリはこのサーチュインを活性化させる効果があり、アンチエイジングが期待できるのではないかと考えられており、米国を中心にこれらのサプリを摂取する人がどんどん増えています。

 

レスベラトロール

レスベラトロールは赤ワインやブドウの皮などに含まれる抗酸化物質として知られるポリフェノールの一種です。デビッド・シンクレア教授は、マウスを使った研究でレスベラトロールが長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化し老化を防ぐ、という発表をしました。その後、ワシントン大学セントルイス校医学部今井眞一郎教授など、他の研究者も研究を進めています。

現在では1日の許容摂取量は450r程度(体重60sとして)と言われています。

 

 

NAD+とそれの元となるNR(ニコチンアミドリボシド)とNMN(ニコチンモノアミドヌクレオチド)

NAD+(βニコチンアミド アデニン ジヌクレオチド)
1906年に発見された生細胞に見られる補酵素であるNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は、たんぱく質と連携して、酸化還元反応で重要な役割を果たし、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化させます。加齢に伴いその生成量が減少し「細胞核の損傷」や「ミトコンドリアの活性低下」が進むと考えられていて、体内の様々な臓器での老化が進む原因になります。アンチエイジング対策として、このNAD+を増加させるというテーマに世界の研究者の熱い注目が集まっています。

 

NMN(ニコチンモノアミドヌクレオチド)
体内に入ったNMNは肝臓に取り込まれ、NAD+「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」に変換されます。 NMNは正式にはマウスのみの研究結果で人に対する安全性、有効性については今後の研究に期待したところ。シンクレア教授本人は1日に500-1000rのNMNをサプリとして摂取しているそうですが、メーカー推奨容量を守りましょう。

 

NR(ニコチンアミドリボシド)
ビタミンB3の一種であるNR「ニコチンアミドリボシド」は、人間の体内で、ニコチンアミドリボシドキナーゼによりNMNへと変換され最終的にはNAD+が合成されます。 今まではマウスを使用した研究でしたが2018年に遂に人を使った研究でNRによるNAD+増加効果についての結果を発表しています。研究ではNRを8週間連続で投与したところ、1日500r投与された人が4週間後最大90%の体内のNAD+の増加量が観察されたそうです。増加量の安定性、また長期投与の薬効など課題が多そうですが、NRの摂取で人の体内でNAD+の増加が確認されたことはアンチエイジング医学界にとっては朗報であるといえます。ちなみに、一般的にサプリとしての推奨摂取量は1日250-500rと言われています[13]

NMNとNRは、どちらもNAD+を作る前哨体で、どちらに優位性があるかは所説あります。ただ、一般的にサプリの値段はNMNの方が高価です]

 

このようにアンチエイジングは我々の永遠のテーマであり、多くの学者、企業が競って老化のメカニズムの解明のための研究が日々進められています。まだまだ安全性、有効性など課題が多いのですが、近い将来サプリで老化予防をする日が来るのかもしれません。こうした動きを先取りしたい人は、この記事で扱ったサプリを試してみては?


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2024年06月15日

Ca-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)

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・クエン酸回路に関与しているグルタル酸とグルタミンの誘導体であるAKG

・長寿やアンチエイジング、骨の健康にも効果が期待できるCa-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)

・サプリメントで摂取できるCa-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)

・AKGが塩化されたAAKG(アルギニン アルファケトグルタル酸)

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AKG(α-ケトグルタル酸)についての基礎知識です
ミトコンドリアによるエネルギー代謝において最も重要なクエン酸回路に関与しているグルタル酸とグルタミンの誘導体であるAKG。糖質制限をしている人であればお馴染みのケトン体とも関連するケト酸の一種です。筋肉のタンパク質の分解を防ぎ、腸の細胞のエネルギー源として重要な役割を果たすグルタミン酸とグルタミンの供給源であるα-ケトグルタル酸。また、体内の廃棄物である活性酸素を抑制するスカベンジャーとしても機能し、筋肉の分解(タンパク異化作用)の減少及び筋肉合成(タンパク同化作用)の増加を促進させることで筋骨格形成を増強すると考えられています[1]
また、コラーゲンを合成しシワの形成の予防[2]や免疫の栄養因子として免疫代謝において重要な役割を果たします[3]。このAKGのアンチエイジング効果や健康への好影響は、以前からさまざまな研究により報告されていましたが、AKGの一種で安定型と呼ばれているCa-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)が、より健康的なアンチエイジング効果を促進する可能性があることが新たに報告されました。

2020年に発表されたマウスでの研究によると、Ca-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)を投与されたマウスのDNAのメチル化が抑制され老化細胞によって引き起こされる炎症が軽減されたことが報告されました。生物の遺伝子発現を調節する主要な制御プログラムであるDNAメチル化は、ガンや老化、加齢性疾患と深い関りがあります[4]。この研究により、マウスのエピジェネティクス的年齢(実質的な健康年齢みたいなもの)が8.5歳も低下。このことから、Ca-AKGに老化の進行を遅らせる効果が期待できそうなのです。また、罹患率の低下の有意性も報告されています[5]。老化に伴うさまざま疾患を少しでも和らげ、高齢者の生活の質を改善するCa-AKGは今後アンチエイジングの重要な鍵となりそう。

この研究は、あくまでもマウスによるものですが、人とマウスに見られる老化の表現型には多くの共通点があるため人での効果も大いに期待できるのです[6]


骨の中に含まれているミネラル分の骨塩は、主にカルシウムとリンで形成されていますが、リンはカルシウムやマグネシウムと結合したのちリン酸カルシウム・リン酸マグネシウムとして骨や歯に存在します[7]。しかし、食品から摂取するリンや加工食品などに添加物として含まれているリン酸塩などの形で過剰に摂取されると、リン酸がカルシウムの吸収を阻害し、骨密度の低下や、骨粗鬆症の原因、すなわち骨の老化が促進されます[8] [9]

また、加齢による体のホルモンバランスの変化により骨量が減少するため、カルシウムとリンの摂取バランスはとても大切となります[10]。Ca-AKGにはこの2つのミネラルのバランスを正常に保つ作用があるのです[11]。体内の過剰なリン酸塩に結合し、廃棄物として排出させることで、カルシウム濃度レベルを正常に戻し、骨質の劣化を抑制する可能性があると言われています[12] [13]。副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、骨粗しょう症や高カルシウム血症などの疾患を招く副甲状腺機能亢進症の長期治療における有意性も示されています[14]


Ca-AKGはサプリメントで。

Ca-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)のサプリメントは、日本ではほとんど見かけませんので、海外から輸入するしか方法はありませんが、海外では既に何種類かのサプリメントが販売されています。選ぶのであれば、FDA(アメリカ食品医薬品局)に安全性が認められているカルシウムα-ケトグルタル酸が使用されたこういった商品が安心ですが、推奨量や使用法をしっかりと守りましょう。こういう、より安価な製品もあります。

 

併せて知っておきたいAAKG(アルギニン アルファケトグルタル酸)

アミノ酸の一種であるアルギニンとAKGが塩化されたAAKG(アルギニン アルファケトグルタル酸)は、血管の老化を防ぐ一酸化窒素の前駆体です。主に、運動用のサプリメントとして販売されているので見たことがある人もいるかもしれません。このAAKGによって一酸化窒素の生成が増加し血管が拡張することで血流を促し持久力や運動パフォーマンスの向上が期待できると言われていますが、研究によってはその効果はあまり信憑性がないことが報告されています。筋力トレーニングなどで効果がある可能性が示唆されている研究結果はあるので、高負荷のウェイトトレーニングなど特定の運動に絞って使用するのがよいでしょう[15]。


なお、動悸、めまい、嘔吐、失神などの副作用も報告されているので注意しましょう[16]。


まとめ〜老化対策として最近欧米で話題のCa-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)。そのアンチエイジング効果とは?〜

日本ではまだ新しい概念であるCa-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)ですが、アンチエイジング効果に加え、高齢者の生活の質の向上が期待できます。サプリメントで摂取することができるCa-AKGの効果はまだはっきりしたものではありませんが、もしサプリメントを摂取しただけでアンチエイジング効果が得られるのであれば夢のような話ですよね。近い将来、それが日常となる日が訪れるかもしれません。



posted by かめ忍者 at 19:20| 栃木 ☁| Comment(0) | サプリメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月11日

料亭「新ばし 金田中」鮮魚の西京漬け

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金田中(かねたなか)さんかの鮭の西京漬け

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新橋の「金田中」本店は大正年間創業
吉兆、新喜楽さんと並ぶ日本三大料亭のおひとつということらしいのです。創建当時の木造の建物を火災で消失なさり、昭和50年に建て替えられたとのこと。夜は芸者さんが入るのでいちげんさんお断り

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焼き上がった魚や肉から匂い立つ味噌の香りと旨み・・・西京漬けにはどこか品のある雰囲気が漂います。

実は、食材を味噌漬けにする保存法は平安時代からありました。海から遠い京都で、旬の魚を美味しく食べようとする人々の知恵が、その始まりだったといわれています。

西京漬けの味のカギを握る西京味噌は米麹と大豆で作る米味噌で、上品な甘みと風味が特徴です。その味噌に漬け込まれた魚・肉は旨味成分の働きでさらに旨みが増します。そして、味噌床の味噌、醤油、酒などの調味料が奥深い味わいを造ります。

昔は貴族や僧侶などしか口にできない高級品だった西京漬け。そんな時代を思いながら、お取り寄せした商品を味わってみます。


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2024年06月09日

納豆に「オートファジー」促す成分 骨折予防にも

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高齢になって起こると寝たきりリスクが高まるばかりか、半年後の死亡率まで高まる股関節骨折(大腿骨頸部(けいぶ)骨折)率は「西高東低」という研究結果があるのをご存知だろうか。そもそも高齢女性に多いこの骨折の新規患者を1987年から2007年まで20年間分調べたところ、関西から九州にかけての地域で発生件数が多くなっていたことが判明したのだ。

関連する因子を分析すると、カルシウムやマグネシウム、ビタミンD摂取量との相関が認められたが、特に関西と関東で差があったのがビタミンKの摂取量だった[注1]

食品からとれるビタミンKには主にK1とK2の2種類があるが、更年期以降の女性の血中ビタミンK2濃度と股関節骨折率が相関し、しかも血中のK2濃度は納豆の摂取量と関係することを明らかにした研究もある[注2]。つまり、納豆消費量が関東以北に比べ低い関西で、骨折率も高くなっているのだ。

緑の濃い野菜や海藻で摂取できるのがK1。日本人の食生活を考えたときに、骨を守るK2摂取源としては納豆ほど効率的な食品はないと言っていい。


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日本人女性の都道府県別の股関節骨折率と1世帯当たりの年間納豆消費金額の関係

「日本人の食事摂取基準2015年版」では成人男女で1日150μg以上のビタミンK摂取が目安量になっている。そして、国民平均で1日231μgとっていることになっているので見かけ上は足りていることになる(2014年国民健康・栄養調査)。

しかし、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」では、骨粗しょう症の人で1日250〜300μgのビタミンK摂取が推奨されているため、致命的な骨折から身を守るという観点からすると国民健康・栄養調査の数字では足りているとはいえない。

そこで納豆だ。

通常の納豆は100gに、股関節骨折リスク低減が期待されるK2を600μgも含む。K2は大豆が納豆菌で発酵する過程で作られるが、発酵総面積が広いひきわり納豆では930μgにもなる(日本食品標準成分表2015年版)。

つまり、納豆なら、店頭で見かける約50gの1パックで骨粗しょう症改善量がとれるのだ。


●ビタミンK2は男性の元気ホルモンを増やすかも

さらに、ビタミンK2は股関節骨折だけでなく、加齢に伴い増加する男性ならではの疾病リスク低下にも恩恵がありそうだ。


米国では男性で発症数1位のがんであり、日本でも急増しつつある前立腺がんのリスク低下と関係があるという報告がある。ドイツのハイデルベルクで1万1000人強の男性を平均8.6年間追跡した研究では、特にK2摂取量が最も多い群は最も低い群に比べて進行性前立腺がんにかかるリスクが63%も低かった。欧州なので主な摂取源はもちろん納豆ではなく乳製品だったが。

なお、K1の摂取量と前立腺がんリスクに相関はなかった。また、K2には前立腺周辺の血管を守る作用もあるようだ[注3]。

40代以降の男性で、男性ホルモン・テストステロンが急激に低下することに伴い、気分が落ち込んだり、やる気が出なくなったり、イライラしたりするといった症状が出る男性更年期障害「LOH症候群」(加齢男性性腺機能低下症候群)にも、納豆が味方になってくれるかもしれない。

こうした期待を抱かせる研究を行っているのは東北大学のチーム。

ラットの研究だが、ビタミンKが精巣で炎症を抑制しテストステロンの正常な分泌を維持するという内容や、ステロイド産生を促して高齢ラットのテストステロン分泌能を改善するという報告を行っている[注4]。

同チームは、今年神戸で開催された第70回日本栄養・食糧学会大会でも、ビタミンK高含有食を与えた雄ラットでテストステロン産生が上昇したと発表している。ヒトでの試験が待たれるところだ。


●納豆には、ノーベル賞学説「オートファジー」を促す成分もたっぷり

優秀なビタミンK2源というだけでもうれしいが、さらにもう一つ、納豆には今脚光を浴びている話題のアンチエイジング成分もたっぷり入っている。

それは、細胞分裂や増殖に欠かせない成分で、炎症を防ぎ細胞の老化抑制に役立つとされるポリアミン。アミノ酸から体内でも作られる物質で、いくつか種類があるが、中でも注目度が高いのがスペルミンとスペルミジンという2種類のポリアミンだ。いずれも発酵食品には比較的多く含まれるが、一般的にスペルミンよりスペルミジンの含有量のほうがより多い。

2004年に発表された東京都健康安全研究センターによる研究では、赤ワインで0.16、白味噌で14.4、濃い口しょうゆで12.1なのに対し、丸大豆使用の納豆で平均56.1、ひきわり納豆では75.2(単位はμg/g)と、納豆で飛び抜けた量のスペルミジンが検出されている。なお、発酵食品以外にシイタケなどのキノコ類などにも多いようだ[注5]。

ポリアミンに関する一番ホットなニュースは、東京工業大学の大隅良典栄誉教授がノーベル賞を受賞した「オートファジー」、つまり、体の細胞が自己分解をしてがんや感染といった病気から私たちを守る働きを促すことで健康寿命延伸に役立つとして世界で研究が進められていることだろう。


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東工大の大隅良典栄誉教授

実際に、米国立老化研究所(NIA)は、現時点でアンチエイジングに寄与するエビデンスがある7つの方法の一つとして、オートファジーを促すスペルミジン摂取を挙げている。ちなみに、ほかの6つは、カロリー制限、断食、運動、レスベラトロール(ポリフェノール)、ラパマイシン(免疫抑制剤)、メトホルミン(糖尿病治療薬)だ。

うち5つはマイナス面も指摘されているが、メトホルミンとスペルミジンは特記すべき副作用も指摘されていない[注6]。

まだヒト試験データは十分とは言えないが、加齢に伴い体内での生成量が減る成分だけに、食品で補給する意味はありそうだ。

さらに、ポリアミンが活性酸素の害を減らしてストレス耐性を高めるとする考察や、更年期女性の大腸がんリスクを下げるとする研究などもある[注7]。

やはり、ビタミンK2同様、ポリアミンはアンチエイジングに欠かせない成分といえるだろう。

●ポリアミンは、寿命を縮める体内時計のずれまで直す

夜遅い時間のスマホ利用や、不規則な睡眠による体内時計の乱れは、がんなどの生活習慣病やうつ病などのリスクも高め、寿命を短くすることが明らかになりつつある。

ポリアミンはこうした体内時計の乱れを修正する働きでも注目されている。

そもそも私たちの体内時計は上記のような生活習慣の乱れ以外に、加齢によっても狂っていくことがわかっているが、ポリアミンを十分に補給すれば、時計遺伝子を正しく制御して体内時計を正しく動かせるかもしれないのだ。

ポリアミンレベルの低いマウスに食事で同成分を与えたところ、乱れた体内時計が修正されたという試験結果もある[注8]

女性だと平均して45歳くらいから更年期に入る。男性もまたしかり、と考えた方がいい。つまり、放っておくと心身が下り坂にさしかかる40歳を過ぎたころから、生活習慣の見直しを始めるのがお勧めだ。

ことに食事は、続けることで緩やかに私たちに影響を与えるので、まずは毎朝朝食に日本が世界に誇るアンチエイジング食品、納豆を加えてみてはいかがだろう。

今、中国や米国でも納豆に対する関心が高まりつつある。

しっかり朝食を食べることで体内時計がリセットされたり、肥満や糖尿病リスクが低下したりするという報告も多いので、そこに納豆を加えれば鬼に金棒だ。


[注1] Arch Osteoporos. 2009;4:71-7.
[注2]  Nutrition. 2001 Apr;17(4):315-21.
[注3] Am J Clin Nutr.2008;87:985-92
    Med Hypotheses. 2015 Mar;84(3):219-22.
[注4]  Food Funct. 2011 Jul;2(7):406-11.
    Lipids Health Dis. 2011; 10: 158.
[注5]  Ann Rep Tokyo Metr Inst P.H.2004;55
    Biosci Biotechnol Biochem.1997 Sep;61(9):1582-4.
[注6]  Cell 2014 June;157(7):1515-26
[注7]  Front Plant Sci. 2015 Oct 13;6:827.
    Am J Clin Nutr 2015;102:411-9
[注8] Cell Metab. 2015 Nov 3;22(5):874-85


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