・長寿やアンチエイジング、骨の健康にも効果が期待できるCa-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)
・サプリメントで摂取できるCa-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)
・AKGが塩化されたAAKG(アルギニン アルファケトグルタル酸)
2020年に発表されたマウスでの研究によると、Ca-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)を投与されたマウスのDNAのメチル化が抑制され老化細胞によって引き起こされる炎症が軽減されたことが報告されました。生物の遺伝子発現を調節する主要な制御プログラムであるDNAメチル化は、ガンや老化、加齢性疾患と深い関りがあります[4]。この研究により、マウスのエピジェネティクス的年齢(実質的な健康年齢みたいなもの)が8.5歳も低下。このことから、Ca-AKGに老化の進行を遅らせる効果が期待できそうなのです。また、罹患率の低下の有意性も報告されています[5]。老化に伴うさまざま疾患を少しでも和らげ、高齢者の生活の質を改善するCa-AKGは今後アンチエイジングの重要な鍵となりそう。
この研究は、あくまでもマウスによるものですが、人とマウスに見られる老化の表現型には多くの共通点があるため人での効果も大いに期待できるのです[6]。
骨の中に含まれているミネラル分の骨塩は、主にカルシウムとリンで形成されていますが、リンはカルシウムやマグネシウムと結合したのちリン酸カルシウム・リン酸マグネシウムとして骨や歯に存在します[7]。しかし、食品から摂取するリンや加工食品などに添加物として含まれているリン酸塩などの形で過剰に摂取されると、リン酸がカルシウムの吸収を阻害し、骨密度の低下や、骨粗鬆症の原因、すなわち骨の老化が促進されます[8] [9]。
また、加齢による体のホルモンバランスの変化により骨量が減少するため、カルシウムとリンの摂取バランスはとても大切となります[10]。Ca-AKGにはこの2つのミネラルのバランスを正常に保つ作用があるのです[11]。体内の過剰なリン酸塩に結合し、廃棄物として排出させることで、カルシウム濃度レベルを正常に戻し、骨質の劣化を抑制する可能性があると言われています[12] [13]。副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、骨粗しょう症や高カルシウム血症などの疾患を招く副甲状腺機能亢進症の長期治療における有意性も示されています[14]。
Ca-AKGはサプリメントで。
Ca-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)のサプリメントは、日本ではほとんど見かけませんので、海外から輸入するしか方法はありませんが、海外では既に何種類かのサプリメントが販売されています。選ぶのであれば、FDA(アメリカ食品医薬品局)に安全性が認められているカルシウムα-ケトグルタル酸が使用されたこういった商品が安心ですが、推奨量や使用法をしっかりと守りましょう。こういう、より安価な製品もあります。
併せて知っておきたいAAKG(アルギニン アルファケトグルタル酸)
アミノ酸の一種であるアルギニンとAKGが塩化されたAAKG(アルギニン アルファケトグルタル酸)は、血管の老化を防ぐ一酸化窒素の前駆体です。主に、運動用のサプリメントとして販売されているので見たことがある人もいるかもしれません。このAAKGによって一酸化窒素の生成が増加し血管が拡張することで血流を促し持久力や運動パフォーマンスの向上が期待できると言われていますが、研究によってはその効果はあまり信憑性がないことが報告されています。筋力トレーニングなどで効果がある可能性が示唆されている研究結果はあるので、高負荷のウェイトトレーニングなど特定の運動に絞って使用するのがよいでしょう[15]。
なお、動悸、めまい、嘔吐、失神などの副作用も報告されているので注意しましょう[16]。
まとめ〜老化対策として最近欧米で話題のCa-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)。そのアンチエイジング効果とは?〜
日本ではまだ新しい概念であるCa-AKG(カルシウムα-ケトグルタル酸)ですが、アンチエイジング効果に加え、高齢者の生活の質の向上が期待できます。サプリメントで摂取することができるCa-AKGの効果はまだはっきりしたものではありませんが、もしサプリメントを摂取しただけでアンチエイジング効果が得られるのであれば夢のような話ですよね。近い将来、それが日常となる日が訪れるかもしれません。