
ところが、「写真を撮る前に少女を助けるべきだ」という非難が巻き起こります。実際には2〜3枚撮った後ハゲワシを追い払ったのですが、「助けずにシャッターを押すのはハゲワシと同じだ」などバッシングがエスカレート。
この写真はスーダンの惨状を世界に伝えただけでなく、報道写真の宿命ともいえる「撮影か、人命救助か」というテーマの象徴になりました。
鳥の写真が社会に衝撃を与え、戦争を拡大させたり、人を自殺に追いやることもあるわけです。もちろん、その責任は鳥にではなく、すべて人間にあるのですが…。
β-アラニンの有効性を検討した研究の多くで、摂取量は1.6〜12g/日、期間は2週間〜6カ月とされている。この摂取プロトコルにより、筋肉のカルノシン含有量がベースラインレベルから23〜200%の範囲で増加することが報告されている。初期の研究では6.4g/日という高用量が用いられた場合に、知覚異常のリスクが生じ得ることが報告されていた。その後、徐放性製剤の開発により知覚異常のリスクを抑制しつつ、より高用量を摂取可能となっている
筋肉カルノシンの上昇の程度は報告による差が大きい。これには、ベースラインのカルノシンレベル、食習慣、運動プログラムの種類、サプリメントの用量や摂取期間など、複数の因子が関与しているのだろう。総じて、筋肉カルノシンレベルの増加はβ-アラニン摂取量と相関しているといえる。
兵士の訓練や戦闘関連行動には、長時間のランニングや短距離の疾走、装備や負傷した仲間の運搬、射撃や白兵戦など、多くの身体的課題が含まれる。これらの課題を睡眠不足による認知ストレス下で実行する必要がある場合もある。
高強度の軍事活動中の兵士の戦術パフォーマンスに対するβ-アラニン摂取(6g/日を4週間)のメリットを実証した研究が2報存在する。軍事訓練中のβ-アラニン摂取によって、プラセボに比べて、兵士の下半身パワーと精神運動能力(交戦速度、射撃精度)が維持されることが示されたという。また、負傷者の後送課題や実弾射撃中の数学的計算能力も改善したとのことだ。
軍事訓練に伴う炎症反応に対するβ-アラニン摂取の影響を検討した研究が1件存在している。体重の約50%の重量のバッグを背負い、連日27.8kmを走破し、1日の睡眠時間は約5時間という5日間の訓練を2回実施する際に、高用量(12g/日)のβ-アラニンを1週間投与したところ、抗炎症性サイトカインであるIL-10の有意な上昇が観察されたという
安全性
β-アラニン摂取に伴う唯一の副作用は、皮膚のしびれなどの感覚異常である。この症状は通常、サプリメント摂取後60〜90分以内に消失する。
スペルミジンはオートファジーを促進することが知られているポリアミンです。体内及び腸内で産生されますがその生産量は老化により減少していきます。このスペルミジンはマウスの腹腔及び脳に注射投与することによって記憶力が急激に上昇することが明らかになっています。そこで、本論文ではスペルミジンの経口投与がどのような影響を与えるのかを明らかにしました。
研究チームはまず、標識したスペルミジンを高齢のマウスに与えることによって経口摂取したスペルミジンが血液脳関門を超えて脳に到達できるのかを調べました。その結果マウスの脳で標識スペルミジンが検出され、経口摂取したスペルミジンが脳に直接作用することができることが明らかになりました。そこで、モリスの水迷路などの認知機能のテストを行い、脳へ到達したスペルミジンが高齢マウスの認知機能にどのような影響を与えるのかを調べると、空間学習能力や記憶力の改善が見られました。さらにその分子機構を調べると、海馬でeIF5Aのヒプシン化やミトコンドリアでの酸素消費量の上昇が起こっていることがわかりました。
次に研究チームは、ショウジョウバエへのスペルミジン経口投与が脳でのオートファジーにどのような影響を与えるのかについて調べました。マウスと同様にスペルミジンの経口投与によって、脳のミトコンドリア酸素消費量は上昇しましたが、オートファジーで重要な働きをするAtg7をノックアウトしたショウジョウバエでは酸素消費量の上昇は抑制されました。そこで、研究チームはミトコンドリア選択的なオートファジーであるマイトファジーに注目し、マイトファジーで重要な役割を担っているPink1/Parkinをノックダウンし、その影響を調べました。すると、ミトコンドリアの酸素消費量の上昇は抑制され、さらにスペルミジンの投与で観察されていた記憶力の改善も抑制されました。
最後に研究チームは、ヒトのスペルミジン摂取が認知機能にどのような影響を与えるのかを調べました。その結果、食事に含まれるスペルミジンの量と認知機能の低下には負の相関がみられました。この結果は、スペルミジンの摂取が認知機能の低下を抑制することを示唆しています
以上のことから、スペルミジンの経口投与が異なる種にわたって一貫して認知機能を改善することが明らかになりました。今後、スペルミジンの作用機序が明らかになっていけば、認知機能障害に苦しむ人を減らせるかもしれません。
まとめ:オートファジーを誘導するスペルミジンは、老化、癌、代謝性疾患などへの有効性が期待されています。
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