2024年05月09日

寿命の伸ばし方

寿命の伸ばし方 

骨は体を構成する組織のうち、その量が多く割合の高い組織ですが、筋肉もまた割合の大きな組織です。体重に占める筋肉の量を筋肉率とよびますが、年齢別の平均的な数値を図表に示しました。その数値を見てみると、20代男性の44%をピークに年齢とともに低下し、60代では29%になってしまっています。

老化で最も顕著に表れる状態の変化は、筋肉の衰えです。代表的なところでは、老眼による視力の低下が当てはまります。言葉の通り、老眼は老化の一つです。老眼は目のピント調節に関わる筋肉の老化が原因なのです。

ほかにも、自分では気がつかなくても片足立ちができなくなったり、子どもと遊んでいるときに思ったような働きができなくなったり、筋肉の衰えは徐々に進行していきます。

それでは、細胞単位の老化とは具体的にどういう状態なのでしょうか? テロメアについて解説していきます。テロメアは「命の回数券」ともよばれています。テロメアが短くなっていると、寿命が短くなったともいわれます。

テロメアとは、遺伝子の本体であるDNAの先端に存在する構造を示す言葉です。実際にはテロメアは細胞分裂の制御や、その結果を示す指標に使われている構造体です。細胞分裂を繰り返すたびにその長さは短くなり、限界に達すると遺伝子であるDNAの複製ができなくなってしまいます。

DNAの複製とは、細胞分裂の現象のことです。老化は細胞死が細胞分裂を上回ってしまったことを示しています。DNAの複製ができない=細胞分裂ができないため、細胞死のレベルが変わらない限り老化に至ってしまいます。実際、テロメアが限界に達し細胞分裂がストップしてしまうと、皮膚はシワシワになり、筋肉は弱まり、その結果、足腰も弱くなってしまいます。


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『死神』という落語をご存じですか?とある死神が、「ろうそくの一つ一つは人の寿命である」といい、「おまえは間もなく死ぬことになる」と、今にも消えそうなろうそくを指し示します。驚いた男が「助けてほしい」と懇願すると、死神は新しいろうそくを差し出し、「これに火を継ぐことができれば助かる」といいます。そして、男は今にも消えそうな自分のろうそくを持って火を移そうとするのですが、焦りから手が震えてうまくいかず、死んでしまうという内容です。

似たような話が漫画やドラマでもありますが、共通するのはろうそくです。命の回数券とよばれるテロメアですが、まさにこの寿命のろうそくと一致します。燃えてしまい短くなったろうそくは長さを戻すことはできませんが、テロメアは長さを戻すことができる点で寿命のろうそくとは違います。落語になるような逸話が現実となり得る科学の進歩は驚きですね。


つまり、日々食事をし、栄養を補給するたびに細胞分裂が繰り返され、「命の回数券」であるテロメアを使い切ってしまい、我々の細胞個々で老化が進み、生命全体が死に至ってしまうことになります。栄養素の摂取が標準的であれば老化はそれほど進みませんが、過食とよばれる過剰な栄養の摂取は細胞分裂を過剰に進めてしまうことになり、結果として命を縮めることになります。


最近は化学分質でサーチュインが長く出来る?
など、未来は老化の予防摂取が受けられるようになるかもです。

posted by かめ忍者 at 17:03| 栃木 ☁| Comment(0) | ライフスパン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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